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ようこそ!生化学研究室へ

 わたしたちは糖鎖の機能について研究しています。わたしたちの体の中には、生命活動に大切な役割を果たす3つの鎖状の高分子が存在します。それは、DNA, タンパク質, そして私たちの研究対象である「糖鎖」です。DNA にはタンパク質の設計図が書き込まれており、この設計図をもとにつくられたタンパク質は細胞の中で起きている生化学的反応の実行役として働きます。それゆえ、細胞が生きていくために必要な反応を担う主役はタンパク質であるという認識が広く浸透しています。一方、糖鎖は「第三の生命鎖」というニックネームをもち、重要な生体分子であることは誰もが認めているのですが、そのはたらきに関しては誤った認識が広まっていると私たちは考えています。一般的に糖鎖のはたらきというと、タンパク質の働きを補助する、いわゆる脇役としてのはたらき、あるいは「糖質」という意味で捉えられ、エネルギー源としての重要性がクローズアップされます。たしかに、糖鎖は名脇役としてタンパク質のはたらきを支えていますし、エネルギー源としても重要ですが、それだけでは「糖鎖のはたらき」の氷山の一角を理解したに過ぎません。わたしたちの研究によって、水面下に隠れているが、実はとっても面白い糖鎖のはたらきが、徐々にではありますが明らかになってきています。
 さて、このような基礎的研究を薬学領域に役立てるにはどのような研究を行う必要があるのでしょうか。わたしたちは、糖鎖のはたらきが損なわれた時に現れる細胞レベル・個体レベルでの異常をヒトの病気につなげようと考えています。あるいは、病気の時につくられる糖鎖を調べ、糖鎖の異常により発症する病気を見つけていこうと考えています。タンパク質側からしか調べられていない病気を糖鎖側からアプローチすることで、病気を治すための新しい方法が見えてくるかもしれません。病気の糖鎖を健康な糖鎖に戻せるような化合物や手段の発見を目指して基礎研究に取り組んでいきたいと考えています。詳しくは研究内容をご覧ください。
                                                                              
                          

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