180222 宮村憲央博士 凱旋!
2007年度(H19)卒業生の宮村憲央先生による凱旋研究セミナーが開催されました。
講演タイトル
「YAP活性化によって誘導される肝細胞排除現象の発見」
宮村先生は、生化学研究室で胚性幹細胞 (ES 細胞) のグリコサミノグリカンについての解析を行い、神戸薬科大学を卒業後、東京医科歯科大学大学院の仁科研究室で理学博士を取得されました。その後、同研究室の助教に就任され研究を続けておられます。
2017 年に、大学院生時代から取り組んでいたテーマ、「損傷した肝細胞を排除する仕組み」を解明し、その成果を Nature Communications に発表しました。
今回の研究セミナーでは、この内容についてご講演いただきました。
研究成果の発表だけでなく、講演の最後に、自分が歩いてきた道のりを振り返りながら、神戸薬大に進学した理由、進学先の研究室の選び方、留学先をどのように決めたか?など、後輩たちに話してくれましたが、終始一貫してサイエンスの興味で道を決めているところに感銘を受けました。
質疑応答では、進学を視野に入れて考えているゼミ生からの「大学院に行くなら、今から何を心掛けておけばいいですか?」という質問に、「論文をたくさん読むこと、いろんな実験に臆せずトライすること」と答えていました。研究者として生きていく上で、論文をいっぱい読んだことが自分を助けてくれたから。論文を読めば、〇〇を証明したいと思った時に、あの論文に書いてあった方法でやってみようと思い当たるし、実験をすれば、同じ分野の研究論文を読みたくなるから、相乗効果で研究に対する理解が深まると話してくれました。また、論文は自分の研究分野だけにこだわらず、面白そうと思ったものは幅広く読んでおいた方がいいとも話していました。宮村くんを見ていると、仁科研で良い教育を受けたこと、尊敬できる先生や先輩、同僚、後輩に恵まれて充実した研究生活を送ってきたことがよくわかりました。
5月からはアメリカに留学されるとのこと。ますますご活躍ください。